国会で審議されている働き方改革関連法案について思うこと

ほんの数年前まで、法律がここまで動くとは想像できなかった。少なくとも5年前、私が大学院でワークライフバランスを研究し始めた2013年は、ワークライフバランスという言葉さえ浸透していなかったし、働き方を見直さないといけないと危機感を感じている人は今よりずっとずーーっと少なかった。同一労働同一賃金だなんて、日本には無理でしょ、という主張のほうが多かったし、まだまだ「フルタイムありきの働き方」が前提であったし、いかに「社員を長く働かすことができるか」という発想ありきであった。36協定にメスが入るなんて、想像できなかった。

30代後半で大学院へ。ワークライフバランスに関する日本語の先行文献が少なくて、論文を執筆するには到底いたらない数の文献しかなく、文献集めに苦労した。言いたいことを言うためには日本の文献だけでは全く足りず、英語やドイツ語で書かれた文献を必死に読んで、データを分析していくしかなかった。

語学が得意なら、たいした苦労ではなかったかもしれないけれど、私は十分な語学力を持ち合わせていなくて、語学の習得と研究とを並行して行った。

それまで培ってきた自信を打ち砕かれ、自分がそれまであえて避けてきて、不得意で不慣れな分野に飛び込んだものだと、毎日、自分のいろいろな能力不足を感じながら、それでもなんとか研究を続けられたのは、ワークライフバランスを実現することで得られるであろう、多くの人の笑顔があると信じていたから。

コンサルティングやセミナー、研修という仕事をしていく今でも、日々多くの多様な課題と直面する。正直、自身の力不足や能力不足を痛感することだってある。働き方を変えてワークライフバランスを実現する職場づくりを!といっても、働き方を見直すのは本当に地味で地道な取組で、現実はそうそう甘くはない。それでも、前に進もうと思えるのは、働き方を改善し、ワークライフバランスの実現によって、より多くの笑顔が増えると確信しているから。そして、ワークライフバランスを実現している多くの笑顔を見ているから!

数年前とは大きく違うことは、日本企業において取り組みが進み、それに伴い研究も進み、多くの実証的なデータが出てきているということ。多様な働き方や女性が活躍できる職場は、生産性の向上、業績向上へ繋がる!多様な働き方や女性が活躍できるということは、長時間労働ではなく、各自が職場で生産性高く働き能力が発揮できる風土があるということ。欧米だからワークライフバランスが実現できるのではない。日本でも十分に実現可能で、私たちには必要なものなのだ。

今回の法改正は、日本の労働法の歴史上、確かに大きな改革といえるかもしれない。とはいえ、ヨーロッパの規制と比べると、たいしたことないというところ。しかし、この法改正をクリアすることが大変困難な職場も数多くあることが日本の現実である。これを乗り越え、もっと先に進まなければ日本に未来はない。先進国はアメリカ以外、人口が減少しており、人材不足である。資源に恵まれない日本の唯一の資源は「人」である。いかに「人を大切にし、多様な能力を発揮できる」職場づくりができるか、が今後の職場の重要な課題である。

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そろそろヨーロッパの空気が吸いたくなってきたな…

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